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ホームページの維持費は、ドメイン代とAIの月額だけになった——サーバー代が0円になる理由と実際の請求額

2026.08.14 夕 | 株式会社NGraph ホームページの維持費は、ドメイン代とAIの月額だけになった——サーバー代が0円になる理由と実際の請求額

会社のホームページを持ち続けるためにかかる費用は、突き詰めると3つしかありません。①ドメイン代(年払い)②AIの月額(更新や改修に使うAIツールの費用)③配信費用(無料枠に収まれば0円)です。この記事が扱うのは「持ち続ける」費用だけで、最初に作るときに一度だけかかる制作費の話はしません。うちは自社のホームページを含む複数のサイトを、実際にこの3つの構成で本番運用しています。ドメインの更新請求とAnthropic公式の料金表という2つの一次情報から、維持費の実額を出します。

この記事でわかること
・ホームページの維持費が「ドメイン代」「AIの月額」「配信費用」の3つに分解できること
・同じ「ドメイン代」でも.comと.jpで更新料が1.8倍違い、その理由は卸価格の公表状況の差にあること
・AIの月額をゼロ扱いにせず、維持費として正しく数える考え方

ホームページの維持費を3つに分解する

まず結論です。ホームページを持ち続ける費用は、ドメイン代(年払い)とAIの月額の2つが主で、配信費用は無料枠に収まれば0円になります。かつては「サーバー代」がここに月額で乗っていましたが、置き場所を変えたことでこの項目が実質的に消えました。次のセクションから、この3つをそれぞれ実額で見ていきます。

「93.2%の企業がホームページを持っている」は、従業員100人以上の会社の数字

総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」(調査時点2024年8月末)によると、自社のホームページを開設している企業の割合は93.2%で、前年(令和5年93.0%)から0.2ポイント増えました。時系列では令和4年91.8%→令和5年93.0%→令和6年93.2%と、毎年少しずつ上がっています。産業別では情報通信業98.6%が最も高く、運輸業・郵便業90.7%が最も低くなっています。

開設率が9割を超えているのは、従業員100人以上の会社

情報通信業98.6%金融・保険業97.0%不動産業96.7%建設業95.4%卸売・小売業95.3%全体93.2%製造業92.8%サービス業・その他91.2%運輸業・郵便業90.7%この調査の対象は常用雇用者100人以上の企業。より小さい会社は母集団に入っていない出所:総務省 令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)・有効回答2,330

ただしこの調査の対象は、常用雇用者が100人以上の企業(事業所本所または単独事業所・全国)です。発送数6,040に対し有効回答数2,330(有効回収率50.9%)という、比較的大きな企業を対象にした調査で、より小さい会社はそもそも母集団に入っていません。「9割以上が持っている」という数字だけを見て、自社もそうすべきかを考えるのではなく、まず自社にとっての費用がいくらかを知ることの方が実務には近い問いです。

自社のホームページの維持費を一緒に確認したい方はこちら(FDE型AI導入支援・無料相談)

サーバー代が0円になったのは、置き場所が変わったから

Cloudflareは、世界中にサーバーを持ち、他社のウェブサイトのデータを高速に配信する会社です。うちが使っている「Cloudflare Pages」は、そのCloudflareが提供するレンタルサーバーの代わりになるもの——サイトのファイルを預けると、世界中のサーバーから配ってくれる仕組みです。月額のレンタルサーバー契約を結ぶ代わりに、Git(ファイルの変更履歴を管理する仕組み)に変更を送ると自動で反映されます。詳しい実測は8/10の記事(会社のホームページは無料枠で足りる——Cloudflare Pagesの上限に対し実測0.8%と、唯一つまずいた1か所)に書きましたが、この記事に関係する数字だけ改めて置きます。

Cloudflare Pages公式ドキュメントによる無料プランの上限は、1サイトあたりのファイル数20,000ファイル、1ファイルの最大サイズ25 MiB、月間ビルド回数500回、同時ビルド1、カスタムドメイン100/プロジェクト、1回のビルドのタイムアウト20分です。この範囲に収まれば、配信そのものにかかる費用は0円です。会社のホームページ程度の規模であれば、この上限に届くことはまずありません。

ドメイン代の実額——同じ「ドメイン代」で1.8倍違う

次はドメイン代です。うちが2026年8月に確認した更新請求の実物では、.com更新が1,721円/年(税込)、.jp更新が3,102円/年(税込)でした。ドメインを8本更新しており、合計は年間19,292円です。うちが記事に出してよいドメインはngraph.jp・omiseai.com・nicomachos.com・autowrite.jp・lion-bd.comの5本で、残りはクライアント案件のためここには書きません。

同じ「ドメイン代」で、.jpは.comの1.8倍

1721円/年.com更新3102円/年.jp更新差 1381円/年自社の更新請求の実額(2026年8月・税込)。1年目の取得価格ではなく更新料の比較出所:自社の更新請求(2026年8月・税込)

1本あたりに直すと、月額では.comが約143円、.jpが約259円という計算になります。「ドメイン代だけなら」と考えれば驚くほど小さい金額ですが、これはあくまで更新料の実額であり、初年度に取得したときの価格はこの請求からは分かりません。安さだけを見て契約年数を決めるのは早計です。

なぜ違うのか——卸価格が公表されているのは片方だけ

.jpが.comより高いのは、卸価格の公表のされ方が違うからです。.comのレジストリであるVerisignは、2026年4月23日発表の2026年第1四半期決算で、1ドメインあたりの年間卸価格を10.26ドルから10.97ドルへ引き上げると公表しました(2026年11月1日発効・上げ幅+0.71ドル)。円換算は為替で動くため、ここではドルの表記のまま書きます。

2026年11月、.comの卸価格が10.97ドルへ上がる

10.26ドル現在の卸価格+0.71ドル引き上げ分10.97ドル2026年11月1日から円換算は為替で動くため、ドル表記のまま掲載出所:Verisign 2026年第1四半期決算(2026年4月23日)

一方、.jpのレジストリであるJPRS(日本レジストリサービス)の公式FAQは、「ドメイン名の登録・更新に関するサービスは指定事業者が提供します。料金やサービスの手続きについては指定事業者ごとに異なりますので、直接、各指定事業者へお問い合わせください」と案内しています。JPRS自身は卸価格を公表しておらず、価格は契約しているレジストラなど指定事業者ごとに決まる仕組みです。片方は「いつ・いくら上がるか」を四半期決算という一次情報から追える一方、もう片方には同じ手段そのものがありません。

.com.jp
レジストリVerisignJPRS
卸価格の公表四半期決算で公表公式FAQで「指定事業者ごと」と案内・自ら非公表
自社の更新実額(税込)1,721円/年3,102円/年
今後の値上げ予定2026年11月1日から10.97ドル(+0.71ドル)

AIの月額を0円扱いにしない

うちがホームページの更新・改修に使っているのはClaude Code(Anthropicが提供するAIツール)です。Anthropic公式の料金ページ(2026年8月14日時点)によると、Free($0/月)にもClaude Codeは含まれています。ただし使用量が増えれば、Pro(月払い$20/月・年払いなら$200を前払いして月あたり$17/月)や、Max(月$100から)が必要になります。ここを「Freeプランがあるから実質0円」と数えるのは、この記事が最初に立てた原則に反します。維持費として数えるべきなのは、実際に契約しているプランの月額です。

かかるもの従来の構成いまの構成
サーバー代月額のレンタルサーバー契約0円(Cloudflare Pages無料枠。静的ファイルへのリクエストは無料・無制限)
CMS・保守料プラグイン更新・保守の契約0円(静的ファイルを直接更新)
更新の都度費用制作会社へ都度依頼Claude Codeで自分で更新
ドメイン代年額(レジストラの言い値)年額(自社実測 .com 1,721円・.jp 3,102円)
AIの月額Free $0〜Pro $20/月〜Max $100/月〜

うちが踏んだこと、と、よくある失敗

私たちの一次体験:維持費が安くなったからといって、事故もゼロになるわけではありません。サイトが自分で名乗るURLと、実際に配信されるURLが食い違ったまま気づかずにいたことがあります。`/blog/記事名.html` が拡張子なしのURLへ転送され、検索エンジンに「正式なURLはこれ」と伝える指定が、転送元の方を指していました。表示は正常に出るので誰も気づかず、42記事分たまってからようやく発覚しました。1回直しても、新しい記事を作るたびに同じ食い違いが戻ってくるので、公開前の検査に組み込んで機械で止める形にしました。もう1つは画像です。撮影した写真を原寸のままアップロードしたところ、スマートフォンでの表示が重くなりました。維持費の安さと、運用に手間がかからないことは別問題だと、この2つで学びました。

費用の内訳が分かったところで、実際によくある失敗を挙げます。

  1. ドメインの初年度価格だけを見て契約し、2年目の更新額を確認しない。この記事の実額(.com 1,721円/年・.jp 3,102円/年)は更新料であり、初年度の取得価格とは別物です。
  2. AIの月額を数えず、「ドメイン代だけ」と説明してしまう。Claude CodeのFreeプランは$0ですが、使用量が増えればProやMaxが必要になります。維持費の芯はドメイン代とAIの月額の両方です。
  3. サイトが名乗るURLと、実際に配信されるURLの食い違いに気づかない。表示は正常なので、機械で検査しない限り誰も気づきません。
  4. 画像を原寸のままアップロードする。ファイル数・容量の無料枠には余裕があっても、スマートフォンでの表示の重さは別に発生します。
  5. 「制作費の相場」で調べた金額をそのまま予算に組み込む。制作費には一次情報が無く、この記事でも扱っていません。維持費と制作費は別に見積もる必要があります。

維持費を決めるのは、作り方より「直せるか」

完全内製外注でも直せる形で受け取作ったが自分では直せない直すたびに追加費用がかか自分で作る ← → 外注する直せる ↑ ↓ 直せない維持費がゼロに近づくのは、直せる象限にいるときだけ出所:自社の運用経験にもとづく分類

自社の維持費の内訳を一緒に確認したい方はこちら(FDE型AI導入支援・無料相談)

よくある質問

ホームページの維持費は結局いくらかかりますか?

内訳は3つです。ドメイン代(年払い)、AIの月額、そして配信費用です。自社の実測ではドメイン8本の更新が年間19,292円(.com更新1,721円/年・.jp更新3,102円/年、いずれも税込)、配信はCloudflare Pagesの無料枠内なら0円です。AIの月額はAnthropic公式でFree($0)からPro(月払い$20/月)まで幅があり、使い方次第で変わります。

サーバー代が0円というのは本当ですか?

配信の仕組みに限れば本当です。Cloudflare公式ドキュメントには、静的ファイル(あらかじめ作り終えたHTMLや画像など)へのリクエストは無料・無制限と明記されています。ただしこれは配信だけの話で、ドメイン代とAIの月額は別途かかります。サーバー代が0円イコール維持費が0円ではありません。

ドメインは.comと.jpのどちらが安いですか?

自社の更新請求の実額では、.comが1,721円/年、.jpが3,102円/年で、.jpのほうが約1.8倍高くなっています。これは更新料の比較であり、初年度の取得価格はこの請求からは分かりません。

なぜ.comと.jpで価格の公表状況が違うのですか?

「.com」の卸価格はレジストリのVerisignが四半期決算で公表しており、2026年11月1日から10.26ドルが10.97ドルに引き上げられることが分かっています。一方「.jp」について、JPRS公式FAQは料金やサービスの手続きは指定事業者ごとに異なるので直接問い合わせるよう案内しており、卸価格そのものは自ら公表していません。片方だけが値上げの理由を数字で説明できる状態です。

Claude Codeは無料で使えますか?

Anthropic公式料金ページ(2026年8月14日時点)によると、Free($0/月)にもClaude Codeは含まれています。ただし使用量が増えればPro(月払い$20/月・年払い$17/月)やMax(月$100〜)が必要になる場合があり、AIの月額を0円として維持費から外すのは実態と合いません。

自社のホームページの維持費を確かめるにはどうすればいいですか?

まずドメインの更新請求書を確認して年額を把握します。次に配信先(Cloudflare Pagesなど)の公式ドキュメントで無料枠の上限を確認します。最後に、実際に使っているAIツールの契約プランを確認します。この3つを合計すれば、制作費を含まない維持費の実額が出ます。

まとめ——決めていないこと・分からないこと

この記事を3点に要約します。ホームページの維持費はドメイン代(年)とAIの月額の2つが芯で、配信費用は無料枠に収まれば0円です。同じ「ドメイン代」でも.comと.jpでは更新料が約1.8倍違い、その理由は卸価格を公表しているのが.comのレジストリだけだからです。そしてAIの月額をFreeプランの存在を理由に0円扱いにすると、維持費の実態を見誤ります。

あわせて、この記事が決めていないこと・分からないことも書いておきます。ドメインの初年度取得価格は、うちの更新請求からは分からないため書いていません。ドルの表記は円に換算していません——為替相場で動く数字を固定するのは不正確だからです。.jpの卸価格は公表されていないため、今後どれだけ値上がりするかは予測できません。そしてAIの月額は、実際の使用量によって必要なプランが変わるため、一律の金額としては決められません。

「うちの維持費、これで合っているか」から、一緒に確認します。

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参考(一次情報):
・総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」(調査時点2024年8月末)
・Cloudflare「Cloudflare Registrar
・Cloudflare「Limits — Cloudflare Pages
・Cloudflare「Pricing — Pages Functions」(静的ファイルへのリクエストの扱い)
・Verisign「Verisign Reports First Quarter 2026 Results」(2026年4月23日発表)
・JPRS「JPRS よくある質問
・Anthropic「Pricing」(2026年8月14日参照)
・あわせて読む:会社のホームページは無料枠で足りる——Cloudflare Pagesの上限に対し実測0.8%と、唯一つまずいた1か所(当ブログ・2026年8月10日夕)
・あわせて読む:Claudeの出力に見えない透かしが入った——「AIが書いた証拠」にならない理由と、社内で決める1行(当ブログ・2026年8月14日朝)
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