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FDEに頼む前に社内で決めておく5つのこと——初月の4週間に何が起きるかまで

2026.08.22 ガイド | 株式会社NGraph FDEに頼む前に社内で決めておく5つのこと——初月の4週間に何が起きるかまで

FDE型のAI導入支援は、依頼する前に社内で5つのことを決めておくかどうかで、初月の動き方が大きく変わります。検索すると「FDEとは何か」を説明する記事は多く出てきますが、依頼する側が何を用意すればいいかを書いた記事はほとんど見当たりません。FDEとは何かはこちらの記事で説明しているので、この記事では依頼前の準備と、初月の4週間に何が起きるかだけを書きます。

この記事でわかること
・頼む前に社内で決めておく5つのこと
・決めていないと、初月に何が起きるか
・NGraphが実際に進めている初月4週間の流れ

決めていないと、最初の2週間は「探す時間」に消える

社内で何も決めずにFDE型の支援を呼ぶと、エンジニアが現場に入った初日は「この業務は誰が一番詳しいですか」「このデータはAIに見せていい情報ですか」「いま使っているシステムは何ですか」を確認することに時間を使います。答えが決まっているほど、この確認は短くなります。

私たちの一次体験:最初のヒアリングで、ある業務の手順を尋ねたときのことです。前半は担当者の記憶からそのまま答えが返ってきましたが、途中からは社内チャットの過去ログを遡って確認する形に変わりました。手順は確かに存在していました。ただ1か所にまとまっておらず、その場にいる担当者本人にしか取り出せない状態でした。決まっていなかったのは手順の中身ではなく、手順が「どこにあるか」でした。

この記事で挙げる5つは、この「探す時間」を依頼前に減らすためのものです。決めなかった場合に初月へ何が起きるかも、決めごとごとに並べます。決める場は、経営者一人の判断でも、現場の担当者だけの判断でもありません。どちらか一方だけで決めると、次の項目で説明する窓口や、情報の線引きのところで食い違いが出ます。

①最初の1業務:全社ではなく、毎週発生する1つ

最初に選ぶ業務は、全社の業務改革ではありません。毎週発生していて、手順を口頭で説明できる業務を1つ選んでください。月に1回しか発生しない業務や、担当者ごとにやり方が大きく違う業務は、最初の対象には向きません。頻度が高く、手順が言葉にできる業務ほど、現場で動くところまで早く進みます。

候補が複数あるときは、対象を絞り込むための会議をあらためて開く必要はありません。「一番件数が多い業務」か「一番同じ質問を繰り返している業務」のどちらかを選べば、たいてい外れません。逆に向かないのは、まだ社内でやり方が固まっていない新しい業務や、法改正・繁忙期など条件が毎回変わる業務です。手順が固まっていない業務は、AIに渡す前に人の側で一度決める作業が先に必要になります。

②現場の窓口1人:決裁者ではなく、毎日やっている人

次に決めるのは、窓口になる1人。その業務を毎日実際にやっている人を選んでください。決裁者は「何を目指すか」を答えられても、「実際にどの順番で、何を見て、何を入力しているか」までは説明しきれないことが多いためです。

窓口が決まっていないと、エンジニアは業務の手順を複数の人に少しずつ聞いて回ることになります。同じ質問を何人にも繰り返すことになり、答えが人によって微妙に食い違う場面も出てきます。

③AIに渡してよい情報の線引き

AIに渡してよい情報とだめな情報の境界は、現場に入ってから決めるものではありません。顧客の連絡先、従業員の給与、契約書の金額。業種によって扱いは違いますが、渡してよいかどうかを現場任せにすると、構築の途中で手が止まります。

経済産業省と総務省がまとめたAI事業者ガイドライン検討会の指針も、個人情報や機密情報を含むデータをAIに扱わせる際は、データの性質に応じた取り扱い方針をあらかじめ定めておくことを事業者に求めています。厳密な社内規程を作る必要はありません。仮でよいので「顧客名は渡せる、契約金額は伏せる」のような1行の合意を、依頼前に用意しておくことが目的です。

合意は箇条書き3行程度で足ります。渡せる情報、渡せない情報、判断に迷ったときに誰に聞くかの3行です。この3行があるだけで、現場で「これは見せていいのか」と手が止まる回数が減ります。

④既存の道具の一覧:受発注・会計・勤怠・チャットのどれとつなぐか

いま使っている道具の名前も、事前に一覧にしておいてください。受発注システム、会計ソフト、勤怠管理、社内チャット。名称だけで十分です。FDE型は既存のシステムを入れ替えず、そのあいだをAIでつなぐ設計が基本なので、何と何をつなぐ可能性があるかが分かっているだけで、現場診断で聞くことが半分に減ります。

道具の一覧が無いと、エンジニアは「まず何を使っているか」から確認することになり、接続の設計はその後の週に持ち越されます。この段階でIDやパスワードまで用意する必要はありません。必要になった時点で、都度確認しながら進めます。

⑤「できた」の判定:誰が・いつ・何を見て言うか

最後に決めるのは、完了の判定です。誰が、いつ、何を見て「使われている」と言うのか。使う人数か、入力の手間が減った実感か、特定の作業が無くなったことか。判定の材料を先に決めておかないと、支援が終わったあとに「結局どうなったのか」を確認する場が無いまま、現場にだけ結果が残ります。

判定は数字である必要はありません。「窓口の担当者が、自分で使っている」という状態を、誰かが目で見て確認できれば十分です。判定する人と、判定のタイミングだけを、依頼前に決めておいてください。

決めていないと初月に何が起きるか、NGraphの初月4週間

決めていないと起きること

5つの決めごとを表にまとめます。左が決めごと、右が決まっていないときに初月へ起きることです。どれも支援そのものは止まりません。確認や手戻りの分だけ、現場での実装に使える時間が減る形で表れます。

決めごと決まっていないとき、初月に起きること
①最初の1業務対象が全社的なまま進み、最初のヒアリングが業務の説明だけで終わる
②現場の窓口1人決裁者としか話せず、実際の手順を知る人を探す時間が生まれる
③情報の線引き渡してよいか現場で判断がつかず、構築の途中で手が止まる場面が出る
④道具の一覧どのシステムとつなぐかが現場で初めて分かり、接続の設計を後の週に回すことになる
⑤できたの判定完了の合意が無く、支援が終わっても「使われている」と言えないまま残る

NGraphの初月4週間

私たちが実際に進めている支援は、初月をおおよそ次の4段階で進めます。対象範囲や連携の複雑さで実際の期間は変わりますが、進む順番はこの4つです。これはNGraphが組んでいる進め方であり、業界共通の標準ではありません。

初月の4週間はこの順で進む

1W1 ヒアリング・業務分解2W2 その場で構築3W3 既存システムと接続4W4 定着・引き継ぎの準備範囲や連携の複雑さで期間は変わるが、進む順番はこの4段階出所:NGraphの支援設計(/fde/ のサービス構成に基づく・業界共通の標準ではない)

W1は現場ヒアリングと業務分解です。選んだ1業務の手順を、実際の画面や書類を見ながら分解していきます。W2はその場でのプロンプト設計とAI構築です。分解した手順をもとに、エンジニアが現場でAIへの指示文を書き、その場で動かして確認します。W3は既存システムとの接続で、受発注・会計・チャットなど、あらかじめ決めておいた道具が相手です。W4は社内定着と引き継ぎ。窓口の担当者が自分で操作できる状態まで持っていき、判定の材料を確認して締めくくります。頼む前の5つが決まっているほど、W1にかかる日数は短くなります。

依頼する前に用意しておくと、初回のヒアリングがそのまま使える持ち物と、目安の所要時間です。用意は社内で一度集まって、下の5項目を紙1枚に書き出すだけで足ります。

持ち物所要時間の目安
対象業務の手順(口頭でよい)現場診断で30分〜1時間
窓口担当者の同席初回ヒアリングの全体
情報の線引きの仮決め依頼前に社内で10分
使っている道具の名称一覧依頼前に社内で10分
完了を判定する人の名前依頼前に社内で5分

自社の業務でどれから決めればいいか一緒に整理したい方は、無料相談・無料AI診断からご相談ください。

よくある質問

5つを全部決めてから連絡しないといけませんか

いいえ。無料相談の時点ではまだ決まっていなくて構いません。ただし現場診断までに、最初の1業務と現場の窓口の2つだけは仮でもよいので決めておくと、初月の進み方が変わります。

対象になりそうな業務がいくつもあります。どれから選べばいいですか

毎週発生していて、手順を口頭で説明できる業務を1つ選んでください。全社をまとめて対象にすると、最初のヒアリングが業務の説明だけで終わってしまいます。

AIに渡してよい情報は誰が決めるものですか

経営者だけで決めず、現場の窓口も交えて決めてください。経済産業省と総務省の指針も、個人情報や機密情報を含むデータをAIに扱わせる際は、データの性質に応じた取り扱い方針をあらかじめ定めておくことを事業者に求めています。

既存の受発注システムや会計ソフトを入れ替える必要はありますか

ありません。FDE型は、いまお使いのシステムやExcel、社内チャットを前提に、そのあいだをAIでつなぐ設計が基本です。

オンラインだけで進められますか

はい。画面共有で実際の業務データを見ながら進めるオンライン伴走が基本形で、全国から依頼できます。ご希望があれば訪問での支援も可能です。

まとめ

FDE型のAI導入支援は、依頼した瞬間から現場で動き出すわけではありません。最初の1業務、現場の窓口、AIに渡してよい情報の線引き、既存の道具の一覧、「できた」の判定。この5つを依頼前に決めておくと、初月のW1を確認に費やさず、そのままヒアリングに使えます。決めずに始めても支援は進みますが、最初の2週間の一部は、この5つを探す時間に置き換わります。

今日できることは1つです。社内で10分だけ集まって、上の表①の5項目に仮の答えを書き出してください。全部が確定していなくても構いません。書き出したものを持って無料相談に来ていただければ、そこから先はこちらで進め方を組み立てます。研修型・コンサル型との違いはこちらの記事にまとめています。

頼む前の5つを、一緒に整理するところから始められます。

エンジニアが御社の現場に入るFDE型伴走支援を提供しています。8問の無料AI診断で現在地もわかります。

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参考(一次情報):
・経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン検討会」(AI事業者ガイドライン第1.2版・2026年3月31日公表)
・あわせて読む:FDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)とは?研修は「教える」、コンサルは「描く」、FDEは現場で「つくる」(当ブログ)
・同日のガイド:AIは、契約した後の5か所で止まる——場所ごとに直す人が違うAIは入れ替わる。会社に残るのは、この4つだけ——正本・手順・権限・検査
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