業務改善助成金 令和8年度とは?9月1日受付開始——「最大600万円」の実額と、AIツールが対象になる線引き
2026.08.05 夕 | 株式会社NGraph
業務改善助成金は、事業場内で最も賃金が低い労働者の時給(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った中小企業・小規模事業者に、その費用の一部を助成する制度です。令和8年度は9月1日から交付申請の受付が始まります。厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」(2026年4月公表)によれば、コース区分がこれまでの4段階から3段階に再編され、助成上限額は最大で600万円です。この記事でわかることは3点です。①「最大600万円」が実際どんな条件で・いくら支給されるのか、②なぜ「600万円」も最低賃金の「55円」もまだ確定値ではないのか、③AIツールやソフトウェアが助成対象になるかどうかの線引きです。
・「最大600万円」がどの条件でいくらになるか(表2の上限額表と計算方法)
・「600万円」も最低賃金の「55円」も、この記事の時点では確定値ではないという構造
・AIツール・ソフトウェア・パソコンが対象になる/ならないの線引き(厚労省Q&Aの表3)
業務改善助成金とは——令和8年度は9月1日受付開始、コースが3つに再編された
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です(最大600万円)。令和8年度の主な日程は次の通りです。
- 交付申請の受付開始:令和8年9月1日
- 申請期限:申請事業所の都道府県に適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日
- 賃金引上げ期間:令和8年9月1日〜申請事業所に適用される地域別最低賃金発効日の前日
- 事業完了期限:交付決定年度の1月31日(やむを得ない理由が認められれば3月31日まで)
対象になるのは、中小企業・小規模事業者(みなし大企業でないこと)で、事業場内最低賃金が令和8年度の地域別最低賃金未満であり、解雇・賃金引き下げなどの不交付事由がないこと。申請は事業所ごとに行います。
令和7年度からの変更点で最も大きいのは、コース区分の再編です。これまでの30円・45円・60円・90円の4コースから、50円・70円・90円の3コースに変わりました。
| 項目 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| コース区分 | 30円・45円・60円・90円の4コース | 50円・70円・90円の3コース |
| 助成率区分の境目 | 引上げ前の事業場内最低賃金1,000円 | 引上げ前の事業場内最低賃金1,050円 |
| 対象事業所 | 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内 | 事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金額未満まで拡大(同額の場合は対象外)※令和7年9月から引き続き実施 |
| 引上げ対象労働者 | 雇用保険被保険者への限定なし | 雇用保険被保険者(週所定労働時間20時間以上)に限定 |
| 自動車 | 特殊用途自動車を除き対象経費の特例だった | 対象外に |
| 利益率の判定期間(物価高騰等要件) | 最近3か月間のうち任意の1月 | 最近6か月間平均 |
対象事業所の範囲が広がった一方、対象労働者や自動車の扱いは絞られました。コース区分の再編とあわせて、まず自社が「どのコースの対象になるか」を確認するところから始まります。
「最大600万円」が実際にいくらになるか
助成上限額は、コース(引上げ額)×引き上げる対象労働者の人数×事業場規模、の組み合わせで決まります。以下が令和8年度の上限額表です。
| コース | 人数区分 | 右記以外の事業者 | 事業場規模30人未満の事業者 |
|---|---|---|---|
| 50円コース | 1人 | 30万円 | 40万円 |
| 50円コース | 2〜3人 | 40万円 | 70万円 |
| 50円コース | 4〜5人 | 70万円 | 70万円 |
| 50円コース | 6〜7人 | 90万円 | 90万円 |
| 50円コース | 8人以上 | 110万円 | 110万円 |
| 50円コース | 10人以上 | 130万円 | 130万円 |
| 70円コース | 1人 | 40万円 | 50万円 |
| 70円コース | 2〜3人 | 50万円 | 100万円 |
| 70円コース | 4〜5人 | 130万円 | 130万円 |
| 70円コース | 6〜7人 | 180万円 | 180万円 |
| 70円コース | 8人以上 | 230万円 | 230万円 |
| 70円コース | 10人以上 | 300万円 | 300万円 |
| 90円コース | 1人 | 90万円 | 100万円 |
| 90円コース | 2〜3人 | 150万円 | 240万円 |
| 90円コース | 4〜5人 | 270万円 | 270万円 |
| 90円コース | 6〜7人 | 360万円 | 360万円 |
| 90円コース | 8人以上 | 450万円 | 450万円 |
| 90円コース | 10人以上 | 600万円 | 600万円 |
600万円は「90円コース」で「10人以上」の対象労働者を引き上げる場合の上限額です。しかも「10人以上」の区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合にしか使えません。
600万円は「90円コース×10人以上×特例事業者」の端にある
助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。実際の支給額は「設備投資等にかかった費用×助成率」と「助成上限額」を比べて、いずれか安い方になります。厚労省が示す計算例では、事業場内最低賃金1,040円(助成率4/5)の事業者が8人を1,130円まで引き上げ(90円コース、上限450万円)、設備投資に600万円を使った場合、600万円×4/5=480万円は上限450万円を上回るため、支給額は450万円になります。上限額の表だけを見て「うちも○○万円もらえる」と考えるのは早計で、まずは自社の設備投資費用×助成率を計算する必要があります。詳しい制度の使い方は無料のAI導入診断でもご相談いただけます。
「600万円」も「55円」も確定値ではない——二つの数字の読み方
ここまでで、600万円が「90円コース・10人以上・特例事業者」という一区画の数字であることは分かりました。もう一つ押さえておきたいのは、この記事で扱っている二つの目立つ数字——「600万円」と最低賃金の「55円」——のどちらも、この記事の時点ではまだ確定していないという構造です。
(a) 600万円は一区画の上限額にすぎない。すでに見た通り、600万円が使えるのは「90円コースで」「10人以上を引き上げ」「かつ特例事業者」という条件をすべて満たした場合だけです。しかも実際の支給額は、設備投資費用×助成率と上限額の安い方なので、600万円という数字は「上限」であって「もらえる額」ではありません。50円コース・1人・30人未満の事業者なら上限は40万円で、同じ制度の中でも15倍の開きがあります(600万円÷40万円)。同じ90円コースの中だけを見ても、1人と10人以上では上限額に6倍の差があります(600万円÷100万円)。
同じ制度で、入口と端では上限額が15倍違う
(b) 最低賃金の「55円」も、答申の時点では金額の一致に至っていません。中央最低賃金審議会が2026年7月28日に公表した「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」の答申では、Aランク54円・Bランク56円・Cランク56円という目安が示されました(Aランク6都府県・Bランク28道府県・Cランク13県)。仮にこの目安通りに各都道府県で引き上げが行われた場合、全国加重平均は1,176円、上昇額は55円(昨年度は66円)、引上げ率に換算すると4.9%(昨年度は6.3%)になります。ただし答申本文は「その金額に関し意見の一致をみるに至らなかった」としており、目安は公益委員見解(労使双方ではなく公益委員側の見解)として地方最低賃金審議会に示されるものです。今後、各都道府県の地方最低賃金審議会の審議・答申を経て、都道府県労働局長が実際の地域別最低賃金額を決定します。「55円」は全国平均の試算値であって、自社が所在する都道府県の実額そのものではありません。
この二つが確定していないことが厄介なのは、申請期限だけは先に効いてくるからです。業務改善助成金の申請期限は「地域別最低賃金の発効日の前日、または11月30日のいずれか早い日」と決まっています。設備投資額や引き上げ人数は自社で計画できても、地域別最低賃金の発効日そのものは、都道府県の審議会が決めるまで確定しません。実額が固まるのを待ってから動き出すと、申請期限までの日数が想定より短くなるリスクがあります。
最低賃金改定の目安の詳しい内容は、最低賃金2026年度は55円引き上げ・全国加重平均1,176円への記事もあわせてご覧ください。
申請・賃金引上げ・交付決定の順序——1日ずれると全部落ちる
業務改善助成金は「先にやったほうが対象外になる」という順序の要件が細かく決まっています。厚生労働省Q&A(令和8年7月〜作成)から、実務で特に事故が起きやすい3点を挙げます。
- 賃金引上げは交付申請後(問15)。賃金の引上げは、交付申請後(労働局への到達後)から、申請事業場に適用される地域別最低賃金の改定日の前日までに実施する必要があります。先に賃金を上げてから申請することはできません。
- 就業規則の適用日で判定される(問16)。賃金引上げは、就業規則等の改正・適用がなされたことをもって実施されたことになります。仮に実際の賃金引上げ日が交付申請より後だったとしても、改正就業規則の適用日が交付申請日より前にある場合は対象外になります。就業規則の起案・施行日の管理まで含めて逆算する必要があります。
- 2回に分けての引上げは不可(問18)。事業場内最低賃金の引上げを2回に分けて行うことはできません。たとえば10月1日に1,050円→1,060円、11月1日に1,060円→1,100円と2段階で合計50円引き上げても、合算しての申請は認められません。
事業完了日についても定義があります(問40)。事業完了日は、①納品日、②助成対象経費の支払完了日、③賃金引上げ日(就業規則等の改正日)——のいずれか遅い日となります。また、導入機器等の納品や契約は必ず交付決定後に行う必要があり、交付決定前に納品・契約された場合は助成を受けられません(問27)。「先に発注してしまう」「先に賃金を上げてしまう」の両方が、そのまま不交付に直結する制度だと理解しておく必要があります。
AIツール・ソフトウェアは対象になるのか——厚労省Q&Aの線引き
ここが、業務改善助成金をAI・ソフトウェア導入で使えるかを判断するうえで最も重要な部分です。要綱上、対象になるのは「生産性の向上、労働能率の増進に資する」と認められる設備投資等で、生産性向上には事業場の売上の増加や収益の改善も含まれます(Q&A問24)。
| 区分 | 経費の内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 対象になりうる | POSレジシステム導入による在庫管理の短縮、顧客管理情報のシステム化 | 令和8年度業務改善助成金のご案内(経費例) |
| 対象になりうる | 経営コンサルティング(経営革新等支援機関によるものを含む。新たな継続的な顧問契約も当該年度内の経費は対象。2者以上の見積りが必要) | Q&A問37 |
| 対象になりうる | ホームページの受発注・決済の両方が可能になる作成・改修、または受注機能の付加 | Q&A問36 |
| 対象になりうる(条件付き) | リース・ローン・ライセンス・保守契約の経費(助成実施年度に支払われる分に限る。複数年分を一括払いした場合は助成実施年度を含め3年分まで) | Q&A問38 |
| 対象になりうる(特例のみ) | パソコン・スマートフォン・タブレット端末と周辺機器の新規購入(物価高騰等要件を満たす特例事業者に限る。既存設備の入れ替えは対象外) | Q&A問24 |
| 対象外 | 単なる経費削減目的(LED電球への交換、通信費プラン変更、資料作成の外注等) | Q&A問25 |
| 対象外 | 快適化目的の職場環境改善(レイアウト変更、エアコン設置、内装工事、机・椅子の増設等) | Q&A問25 |
| 対象外 | 通常の事業活動に伴う経費(事務所借料、光熱費、賃金、交際費、消耗品費、通信費、汎用事務機器購入費等) | Q&A問25 |
| 対象外 | 広告宣伝費・販売促進費(パンフレット、動画、写真、デジタルサイネージ、展示会出展、セミナー開催、市場調査、営業代行、ランディングページ作成、マーケティングツール活用等) | Q&A問25 |
| 対象外 | 汎用の事務用パソコン(業務用高機能プリンター等の稼働に必須の場合を除く)、自動車のリース・ローン・保守契約 | Q&A問35・問38 |
| 対象外 | 老朽化・破損した設備と同等性能の機器への更新(既存より高機能な上級機器への入れ替えは対象になりうる) | Q&A問30 |
PCが対象になるかは「誰が申請するか」で変わる
整理すると、AI・ソフトウェア関連の経費は「業務そのものに組み込まれ、生産性向上に直結するか」が線引きの軸です。マーケティングツールやランディングページ制作のような集客・広告目的のツールは対象外、POSレジや受発注システム、顧客管理システムのような業務フローに組み込むツールは対象になりうる、という構図です。パソコン単体は原則対象外で、物価高騰等要件を満たす特例事業者の新規購入という狭い例外があるのみです。助成対象経費の下限は10万円(消費税を除く)で、1つの経費が10万円未満でも、他の設備投資等と合わせて10万円以上になれば対象になります(問26)。また、契約予定額が10万円未満の場合を除き、原則として同一条件の仕様による2者以上の見積りが必要で、自社・親会社・子会社・グループ企業・代表者の親族(3親等以内)等が作成した見積書は認められません(問52)。
「生産性向上」を書けるかどうかで決まる——設備から選ばない
ここまでの対象・対象外の線引きを踏まえると、申請書作成で実際に問われるのは「その設備・システムを入れると、どの作業が、どう変わるか」を具体的に書けるかどうかです。
言い換えると、業務改善助成金の申請書作成は「補助金に使える設備は何か」から探すのではなく、「自社のどの業務が、今どれだけ時間や手間を食っているか」を先に棚卸しし、それを解決する手段として設備投資を位置づける、という順序で進める方が無理がありません。この順序は、AI導入補助金全般でも同じ考え方が使えます。省力化投資補助金 第8回の記事もあわせてご覧ください。
よくある失敗・NGパターン
- 交付決定より前に発注・契約・納品してしまう。交付決定前に助成対象設備を導入した場合は、それだけで対象外になります(問27)。制度を知らずに「早く進めたい」で動くと最初の一歩で失格になります。
- 先に賃金を引き上げてから申請する。就業規則の適用日が申請日より前にあれば、実際の賃金支払いが後であっても対象外です(問16)。就業規則の改正・施行のタイミングまで管理する必要があります。
- 賃金引上げを2回に分けて行う。合計で必要な引上げ額に達していても、分割して実施すると合算は認められません(問18)。1回で必要な引上げ幅を満たす必要があります。
- 「最大600万円」を前提に設備を選ぶ。600万円は90円コース・10人以上・特例事業者の上限額であり、実際の支給額は設備投資費用×助成率と上限額の安い方です。自社のコース・人数区分で試算しないまま計画すると、想定より大幅に少ない支給額になります。
- 汎用パソコン・エアコン・机椅子・LED交換・広告宣伝費を計上する。これらは通常の事業活動に伴う経費、または快適化目的の経費として対象外です(問25)。
- 相見積もりを取らない、または関連会社・親族の見積もりを出す。原則2者以上の同一条件の見積りが必要で、自社・親会社・子会社・グループ企業・代表者の親族(3親等以内)が作成した見積書は認められません(問52)。
- 助成金が先に入る前提で資金繰りを組む。概算払はできません(問66)。設備投資費用は自社で立て替える前提で資金繰りを組む必要があります。
- 同一の設備投資に他の助成金を重ねる。他の助成金との併給自体は可能ですが、同一の設備投資等に要する費用への重複は認められません(問47)。
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9月1日までにやること
| やること | 期限の考え方 |
|---|---|
| 1. 自社のコース・人数区分・助成率を試算する | 設備投資費用×助成率と、上限額表(表2)を突合し、実際の支給見込み額を出す |
| 2. 導入する設備・システムで「何の作業が何分減るか」を言語化する | 交付決定前の作業だが、申請書の説明の質を左右する |
| 3. 相見積もりを2者以上そろえる | 交付決定後は最低価格を提示した業者と契約する必要がある(問52) |
| 4. 就業規則の改正案を準備するが、適用日は交付申請日より後にする | 適用日が申請日より前だと、実際の賃金支払いが後でも対象外(問16) |
| 5. 9月1日以降、交付申請を提出する | 申請期限は地域別最低賃金の発効日の前日、または11月30日のいずれか早い日 |
| 6. 交付決定を受けてから発注・契約・納品する | 交付決定前の発注・契約・納品は全て対象外(問27) |
| 7. 交付申請後、地域別最低賃金の発効日の前日までに賃金を引き上げる(1回で) | 2回に分けての引上げは不可(問18) |
よくある質問
令和8年度の業務改善助成金はいつから申請できますか?
交付申請の受付開始は令和8年9月1日です。申請期限は、申請事業所の都道府県に適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日となります(厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」2026年4月)。
「最大600万円」はどんな場合に受け取れますか?
600万円は、事業場内最低賃金を90円コースで引き上げ、対象労働者が10人以上おり、かつ特例事業者である場合の上限額です。実際の支給額は「設備投資費用×助成率」と「助成上限額」を比べて安い方になるため、上限額の表を見るだけでは決まりません。
AIツールやSaaSの利用料は助成対象になりますか?
厚生労働省Q&A(令和8年7月〜・問38)によれば、リース・ローン契約、ライセンス契約、保守契約等の経費は、助成実施年度に支払われるものに限り対象になります。複数年分をまとめて助成実施年度に支払った場合は、助成実施年度を含め3年分が対象です。単なる経費削減目的や広告宣伝・販促目的のツール利用は対象外です(問25)。
パソコンは助成対象になりますか?
原則、汎用の事務用パソコンは通常の事業活動に伴う経費として対象外です(問25)。ただし、物価高騰等要件を満たす特例事業者が新規購入する場合に限り、パソコン・スマートフォン・タブレット端末と周辺機器が対象になることがあります(既存設備の入れ替えは対象外・問24)。
先に賃金を引き上げてから申請できますか?
できません。賃金の引上げは交付申請後(労働局への到達後)に実施する必要があります(Q&A問15)。また、交付申請日より前に改正就業規則の適用日がある場合は、実際の賃金引上げ日が申請より後であっても対象外です(問16)。
助成金は設備代を払う前に受け取れますか?
受け取れません。概算払はできない制度です(Q&A問66)。設備投資等の納品や契約は必ず交付決定後に行う必要があり、交付決定前に納品・契約された場合は助成を受けられません(問27)。
他の補助金・助成金と併用できますか?
同一の設備投資等に要する費用でなければ、他の助成金等との併給は可能です(Q&A問47)。ただし、業務改善助成金で賃金引上げの対象とした労働者を、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の支給対象労働者として重ねてカウントすることはできません。
まとめ
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資を行った中小企業・小規模事業者を対象に、その費用の一部を助成する制度で、令和8年度は9月1日から交付申請の受付が始まります。「最大600万円」は90円コース・10人以上・特例事業者という一区画の上限額であり、実際の支給額は設備投資費用×助成率と上限額を比べた安い方です。同時に、最低賃金改定の目安「55円」も答申の時点では確定しておらず、各都道府県の地方最低賃金審議会の審議を経て決まります。申請期限だけは地域別最低賃金の発効日に連動して先に効いてくるため、実額の確定を待たずに準備を進める必要があります。AI・ソフトウェアについては、集客・広告目的のツールは対象外、業務フローに組み込むシステムは対象になりうるという線引きがあり、いずれの場合も「導入によってどの作業がどう変わるか」を具体的に説明できるかどうかが、申請の通りやすさと導入後の定着の両方を左右します。
・厚生労働省「業務改善助成金」制度ページ
・厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」(2026年4月)
・厚生労働省「業務改善助成金Q&A(令和8年7月〜)」(2026年7月7日作成)
・厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」(2026年7月28日公表)
・関連記事:最低賃金2026年度は55円引き上げ・全国加重平均1,176円へ(当ブログ)/省力化投資補助金 第8回は8月中旬公募開始(当ブログ)/AI導入の費用はどれくらいかかるか(当ブログ)/AI導入に使える補助金はどれか——8制度の対象経費を読み解く実務判定表(当ブログ)/Sakana AIが日本語特化LLM APIを提供開始(当ブログ・2026年8月5日朝)
