フィリップス
Philips
フィリップス
Philips
オランダ・創業 1891年
世間
8/10
相手
8/10
自己
6/10
存続ライン(47)を 24 点上回る
世間
8/10
相手
8/10
自己
6/10
存続ライン(47)を 24 点上回る
電球メーカーが、家電を捨てて医療機器会社に生まれ変わった
12項目
41/60
3軸
22/30
加点
+8
NCG
71/100
加点の理由:[時間+戦略+影響] 135年+家電撤退→医療機器への大転換
当時の状況
1891年、ヘラルド・フィリップスと父フレデリックがオランダ・アイントホーフェンで電球工場を創業した。1895年に弟アントンが加わり、1914年には研究所NatLabを開設。そこでのX線管の開発が後の医療事業の源流になった。20世紀には1963年のカセットテープ、1982年のCD(ソニーと共同開発)などで家電の巨人となる。2006年に半導体、2016年に照明、2021年に家電を切り離し、医療機器を中心とする会社に変わった。2024年の売上は約€180億。
テレスの所感
フィリップスの教訓は「135年企業が自分を捨てられるか」という問い。電球で始まり、カセットテープやCDで20世紀の家電を引っ張った会社が、2006年に半導体を、2012年にテレビを、2016年に創業事業の照明を、2021年に家電を手放した。医療への全振りは、1910年代に研究所でX線管を手がけた源流へ戻る選択でもあった。道は平坦ではない。2021年6月の呼吸器リコールは世界で約1,500万台に及び、2024年4月には米国で販売を縛る同意判決を受け、同年は純損失€6.98億だった。普通の老舗企業は創業事業を捨てる判断ができない。彼らは自分の歴史より未来を選んだ。「何屋か」を変える勇気は、「何屋か」を守る勇気より100倍難しい。生存戦略としては正解だった——その覚悟の値段を、リコールが教えている。
存続の鍵
電球で始まり、ラジオ・テレビ・家電で20世紀を走った会社が、2010年代に「家電ではもう勝てない」と判断して全部売った。自分の歴史を燃料にして医療機器に乗り換える決断ができる企業は少ない。「何屋か」を守る力より、「何屋か」を変える力のほうが100倍希少だ。
12項目スコア(41/60)
強みK タイミング・L 独自の洞察
高齢化で需要が続く医療機器市場。2010年代に、会社の軸足をヘルステクノロジーへはっきり移した。
画像診断や患者モニタリングなど医療現場の複合ニーズ。源流は1910年代、研究所NatLabのX線管開発にある。
イメージング装置にAI解析とソフトを統合。2020年代は介護者と患者のためのAI活用を前面に掲げている。
2011〜22年のvan Houten体制が照明・家電の切り離しを主導し、2022年10月にJakobsへ継いだ。
2024年の売上は€180億で前年割れ、調整後EBITA利益率は11.5%に改善。収益性は上向くが成長は中程度。
規制・認可・病院との関係が参入障壁。ただ2024年4月の米同意判決で、睡眠時無呼吸装置の新規販売が制約された。
装置販売に消耗品とソフトの継続収入を重ねる形へ移行中。2024年の営業利益は€5.29億にとどまった。
再編とリコールの痛みが続く。2024年は純損失€6.98億、米国のリコール訴訟では総額$11億の和解を結んだ。
巨大組織の重さは残る。2022年に4,000人、2023年1月にさらに6,000人の人員削減を打ち出し、集中を進める。
上場を継続。2021年に家電事業をHillhouseへ企業価値約€37億で売り、税引後で約€30億の現金を得た。
家電のコモディティ化を読んで先に動いた。2006年に半導体、2012年にテレビ、2016年に照明を切り離した。
「何屋か」を変える勇気。電球で始まった会社が照明部門まで切り離し、2018年にその部門はSignifyと名を変えた。
